肩こりは首から治せ!身体の専門家が患者さんへ実際に指導する方法

肩こりは首から治せ!身体の専門家が患者さんへ実際に指導する方法

肩こりと首の深い関係

まずは少し難しい話から・・・(ごめんなさい)

肩こり」とは

医学大辞典

「僧帽筋、半棘筋部に主として張るような不快感があり、また同時に筋の硬度を増し、これを掴むか、揉むようにすると快くなるものの総称」

簡明医学用語辞典

「頸の付け根、肩甲上部、肩甲部、肩甲間部の筋肉に鈍痛を伴う不快感がある。また筋の緊張や硬結がある」

と定義されています

医療系の辞書や辞典だと専門的な用語が多く、なんのこっちゃ分かりませんね

 

要するに

「肩こり」は「首や肩甲骨まわりに不快感を感じて、動かすと痛みがある。触ると固くなっていて特定の部位にはシコリがある」ということです

肩こりといっても、肩だけではなくて「」にもこり感を感じることが多いと思います

実際、マッサージを受ける時に「肩こりがあって〜」と伝えるときの仕草では、首の根元を触っていませんか?

 

“肩こり”という表現は日本独特のもの

明治20〜40年代にかけて「肩がこる」という言葉が人々の口から聞かれるようになったとのことです

それを夏目漱石がいち早く小説に取り入れ、世に広まっていったそう

今では誰しもが一度は口にしたことがある「肩こり」は”夏目漱石”が世に流行らせた言葉だったんですね

それまでは「肩が張る」や「肩がつまる」という表現をしていたみたいですよ

なお、英語ではStiff neck(≒こわばった/硬い 肩)と表現しているようです


なぜ肩こりには首が関係するのか?

では、なぜ首が関係するのか専門的な視点からお伝えします

頭の重量は体重の1/10の重さに相当します

例えば、体重が50kgある人の場合、頭は5kg・・・通常サイズのスイカ1玉とほぼ同じ重さです

常にスイカ1玉分の重さを支える首は

すぐに疲労困憊になることは想像できると思います

しかし、「頭が重たい」や「首が疲れる」と感じるようになったのは、ある程度歳を取ってからだと思います

頭が上半身に対して正しい位置にあったからこそ、「首の疲れ」を知らずに生活できていたんです

 

なぜ首だけでなく、肩までこるのか?

肩こりで不快感を感じやすい部位は「首や肩甲骨まわり」とお話ししました

首〜肩甲骨についている筋肉がたくさんあります

僧帽筋、小菱形筋、肩甲挙筋 他・・・

首の筋肉が疲れて固くなると首の動きは悪くなります

首の動きが悪くなると、筋肉を通じて肩甲骨の動きも悪くなってしまい、これで「肩こり」の完成です

 

肩甲骨のまわりをマッサージされたり、自分でストレッチした後、肩こりの不快感は一時的に和らぎますが、時間が経つとまた肩こりを感じるという経験はしたことはありませんか?

肩甲骨まわりの筋肉は柔らかくなっても、原因は首のこりにあるので、首のこりを治さないと「肩こり」は解消できません!

 


肩こりは首から治せる

肩こりと首の関係について、なんとなく分かりましたか?

「肩こり」を解消するためには、首の負担を減らす必要があります

首の負担を減らすには、頭を本来の正しい位置に戻す

 

肩こりになりやすい姿勢かチェック

理想的な頭の位置は、横から見たときに耳と肩が一直線上に並んでいる状態です

  1. 頭(耳)

【壁に背を向けて立ち、頭・背中・お尻・かかとを自然に壁へつけることはできますか?】

・自然に全部つけることができる ⇨ ①

・「頭だけ」または「頭とお尻」をつけるのが大変 ⇨ ②

・「背中」と「お尻」をつけるのが大変 ⇨ ③

①だった人は、正しい位置にあります

②だった人は、首へ負担がかかる位置にあります

③だった人は、首へ負担は少ない位置ではありますが、好ましくはありません

⇨③の方は腰痛へなりやすい姿勢をしています腰痛を解消する方法をまとめた記事がありますので、こちらから読んでみてください

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肩こり解消!首まわりのストレッチ方法

首〜肩甲骨についている筋肉の「僧帽筋」「肩甲挙筋」「菱形筋」ストレッチ方法を紹介します

どれも簡単にできますので、実践してみてください!

 

僧帽筋・肩甲挙筋のストレッチ

1.片方の手を腰の後ろに回します

2.もう一方の手で頭の上を通して反対の耳を触ります

3.ゆっくりと斜め前に倒していき、首の横が伸びたとことで20秒キープしましょう

※1の片方の手を反対の腰に回すことで、肩甲骨が固定されてストレッチ効果がアップします(Good!)

 

②−1 菱形筋のストレッチ

1.反対の手で肩甲骨をつかみます

2.手のひらで肩甲骨を外へ引き伸ばし20秒キープしましょう

※背中を丸めるようにするとストレッチ効果がアップします(Good!)

 

②−2 菱形筋のストレッチ

1.両手を頭の後ろで組みます

2.両肘を大きく開く→閉じる→開く•••と繰り返しましょう

※意識するのは左右の肩甲骨の間(黄色の部分)です


固くなった首の筋肉もストレッチするのも効果的です!

 頭・頚板状筋のストレッチ

1.両手を頭の後ろで組みます

2.首を前に曲げて、首の後ろが伸びたところで20秒キープしましょう


首の負担を減らす枕で肩こりを解消

ストレッチは続かない・・・といった方は、枕を変えてみることも一つの手段です

首へ負担がかかる位置に頭がある方は本来の首のS字カーブが失われ、

真っ直ぐになっている場合が多いです(ストレートネック

一般的な枕は首と枕に隙間ができてしまい、ストレートネックのまま・・・

首にフィットする枕を使用するだけでも、「肩こり」の不快感が和ぐ場合もあります

首本来のS字カーブをケアしてくれる効果がある枕

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ただの肩こり・・・”されど肩こり”です

肩こりがひどくなることで、頭痛がでてきたり、気力や体力が落ちてきたりも・・・

ご紹介したストレッチを行っていただき、頭を本来の正しい位置へ戻して首への負担を減らしましょう!