肩関節周囲炎について –リハビリ前に知っておくこと–
肩関節周囲炎
肩関節周囲炎いわる五十肩といっても腱板断裂であったり、上腕二頭筋腱炎、石灰性腱炎など原因は様々です
また、上記にあがっているのは肩関節性であり、他にも全身性や関連性身体症状による二次的な原因によっても起こりえます
全身性
糖尿病
甲状腺機能障害
副腎機能低下
転移性悪性腫瘍 など
関連性
頸椎神経根症
脳血管障害
乳房手術後
上腕骨骨幹部骨折 など
肩関節性ものに関しては理学療法士が関わることで症状の改善を望めますが、全身性・関連性の身体症状が原因である場合は徒手療法のみでの改善は難しいです
腱板断裂の病態を理解
肩関節性による病態において臨床では腱板断裂が多い印象です
腱板断裂の発生率の年齢層としては中高年に多くみられます
腱板断裂は有痛性の肩関節の疾患であり、有痛者における腱板完全断裂の発生率は70歳代で4割、80歳代で6割となるという研究報告もあります
特徴
夜間痛の訴え
拘縮による関節可動域の制限
肩を捻った動きでの疼痛
疼痛の質は鋭い
腱板の構成
腱板は5層構造からなります
第1層・4層は烏口上腕靱帯、第2層・3層は腱成分、5層は関節包で構成されています
腱板完全断裂とはこの第5層である関節包まで断裂した状態のことを意味します
腱板断裂の危険因子
肩峰下インピンジメント症候群
退行変性(血流の不足による組織の脆弱化によるもの)
外傷によるもの
☝️インピンジメントとは衝突を意味しており、肩を挙上していく時に腱板が肩峰下に挟まれる現象を肩峰下インピンジメントと表現します
夜間痛について
夜間痛に関しては数々の研究報告があがっています
◎透析時や夜間に強い痛みを訴える透析肩では腱板の肥厚や肩峰下腔の軟部組織の腫脹が影響していると示唆⇨肩峰下圧の上昇
◎夜間痛を主訴とする肩峰下滑液包炎の肩峰下圧は高い傾向にある
他の研究内容も肩峰下圧との関連についてに述べられているものが多いです
これらをふまえて、夜間痛のメカニズムについての仮説として夜間痛は肩峰下圧の変化に影響を受けることが考えられます
肩峰下圧の上昇の因子
一次性のものとして腱板炎、肩峰下滑液包炎、肩峰下骨棘の増殖
一次生の影響を受け、二次的に生じるものとして腱板の腫脹や浮腫、肩峰下滑液包の癒着、腱版疎部や烏口上腕靱帯の拘縮などが因子として挙げられます
これらによって肩峰下圧が上昇し、疼痛が出現していると考えられています
画像所見
問診・視診・触診は当然のことながら、X-P画像の所見も確認しておかなければなりません
X-P画像所見として、Moloney’s arch は簡単に確認できます
肩甲骨外側縁をたっどたカーブがそのまま上腕骨内側のカーブへとスムースにつながります。このカーブのことをMoloney’s archといいます
肩関節脱臼であったり、腱板損傷では上腕骨頭が挙上位となります(求心位を保持できず、三角筋に引っ張られるため)
また、骨折時には上腕骨頭は下制位をとります
画像からアーチ不整を確認しておくことで、最低限のリスク管理にもつながってきます
今回は整形外科疾患テストや触診時のポイントに関しては詳しく記載しませんが、評価・治療を実施する際は病態の理解が必要不可欠です
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