糖尿病の基本的な知識と運動療法

糖尿病の基本的な知識と運動療法

糖尿病とは?

血糖値が慢性的に高くなる病気です。

そのため、糖尿病では血糖値を下げるためのインスリンというホルモンとの関係性が深いです。

肥満、ストレス、加齢、運動不足などによってインスリン抵抗性(≒効きにくさ)が高まります。

また、インスリン分泌不全(≒出が悪い)などによって、インスリン作用不足となり高血糖になります。

平成28年の時点では、日本における糖尿病患者もしくはその予備軍も含めた数は約2000万人、成人の約4人に1人の割合となっています。

糖尿病は

・1型糖尿病
・2型糖尿病
・その他の特定の疾患によるもの、また妊娠糖尿病 に分類されます。
 

その95%が2型糖尿病であり、遺伝的な要因に食べすぎ運動不足などといった、生活習慣による環境的な要因が加わることで発症します。


基準について


血糖値
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)値、糖尿病に典型的な合併症の有無によって判定されます。


典型的な合併症は

神経症状:痺れ、感覚障害

腎症:進行すると透析が必要

壊疽:足先に起こり、進行すると切断

心疾患:狭心症、心筋梗塞

歯周病 ※近年注目されている  などが挙げられます。


血糖コントロールの目標値は(成人の場合)

血糖の正常化を目指す時の目標値

HbA1c(%) が6.0未満

☝️食事療法や運動療法だけで達成可能な場合
 または、薬物療法中でも副作用なく達成可能な場合

合併症予防のための目標値

HbA1c(%) が7.0未満

 ☝️空腹時血糖130mg/dl未満、食後2時間血糖180mg/dl未満が目安

追加治療による血糖コントロールが困難な時の目標値

HbA1c(%) が8.0未満

 ☝️低血糖症状などの副作用、ほかの理由で治療を強化することが困難なとき


糖尿病によるトラブル

最も怖いのは足のトラブルです。

足のトラブルの原因は”糖尿病神経障害”や”足の動脈硬化”、”免疫力の低下”などが挙げられます。

潰瘍や壊疽に移行するなど重症化し、放置すると足を切断…する可能性も少なくないです⚠️

そのため、足の病変は予防と早期発見が重要となります。

立ち仕事が多い場合は、ご自身の足を毎日観察し、「足の裏がゴッツしてきた」や「赤く腫れてきた」などが異変のサインです。

運動療法と糖尿病

運動により、血中のブドウ糖が筋肉に取り込まれやすくなり、血糖値が下がります。 

つまり、一定期間の運動の継続はインスリンの働きを改善させることが期待できます。

運動の目安として
◎1日あたり合計で20〜30分程度の有酸素運動

・ウォーキングや自転車漕ぎ

・踏み台昇降運動

・腕振り運動 など

自己管理の工夫として、”記録”をつけることが大切です。

当たり前の事ですが、食事内容や体重、血圧、血糖の測定値は当然のことながら、運動に関しても内容や日にちを記録するよう指導しましょう。

なお、糖尿病と高コレステロール血症が合併していると脳卒中を発症するリスクが高くなると言われています。

脳卒中患者さんでも血液検査データから血糖値を確認しておくことで、再発であったり状態の悪化、BADを未然に予測、迅速的な対応につながると思います。